人気ブログランキング | 話題のタグを見る

不携帯




「かまど場」 

ここが一番人気の撮影ポイント!

ベストショットは釜から勢いよく湯気が立っている時です。


御客様の大半がこの写真を撮られます。


不携帯_f0376124_18050638.jpg



やはり実際に使っている「かまど」が珍しいからだと思いますが

他にも「囲炉裏」や「書院障子」「古時計」「時代電笠」など

いろいろと撮影されていきます。


勿論、どこを撮影されても

SNSに載せて頂いても構いません!


しかし、唯一ご遠慮して頂いているのが

「御食事中」の撮影です。


撮影というよりも

「カメラ」「携帯」の持ち込みを控えて頂いております。



不携帯_f0376124_16475610.jpg



御飯が炊けるまでは「待合(囲炉裏の間)」にて過ごして頂き、

御食事は「客間」に移動してもらいますが、

その際にお荷物は行李に置いていき

ハンカチや手拭い、ティッシュ、懐紙、程度のものだけにして頂きます。


これは決して料理の写真を撮られたくない訳ではなく、

『料理を美味しく食べて頂きたい』

という願いからそうさせて頂いております。



不携帯_f0376124_23404550.jpg


御膳が運ばれ、飯椀と汁椀のふたを同時に取ると

ふわっと湯気が立ち上る...

その湯気も「茶懐石」の御馳走です。

それは今、「炊き立て」「出来立て」をお出ししました!

ということです。

この一番最初の御膳出しに全身全霊をかけて用意しております。


しかし、ここで写真を撮られると

せっかくの出来立てが出来立てじゃなくなり台無しです。


ややもすると写真の構図を決めるのに手間取ったり、立ち上がったり、

果てには過去の写真を見ながら話しが長くなって

すっかり湯気も消えたころに「いただきます」なんてことに...


勿論、その後の「煮物椀」「焼物」「炊合せ」「和え物」も

最高の状態でお出しします。ですから、

出来るだけ「美味しく」食べて頂きたいと思うばかりです。



不携帯_f0376124_23565755.jpg


お店で料理の写真を撮り、SNSに上げるのが当たり前の時代。

どうぞ料理は御自分の眼と心にしっかり焼き付けて、

「携帯電話」が手元にないと不安かとは思いますが、

たまには「厄介な文明」に煩わされず

静かな山里で「鳥の声」と「川のせせらぎ」だけを聴きながら

心和やかに食事してみませんか?



by muichimotu | 2017-09-13 18:28 | 無庵 | Trackback | Comments(0)

精進懐石 無庵          静岡県周智郡森町問詰832-3  https://www.kaiseki-muan.com/       0538(84)6308       muan@bf6.so-net.ne.jp


by 甚兵衛