粗漉餡



当店無庵に於いて懐石の後にお出しする菓子は通常、

炉の冬・春は「蒸し饅頭」

風炉の夏・秋は「麩饅頭」です。


今まではどちらも粒餡を使っていましたが

「麩饅頭」は漉し餡のほうが良いと

女将がのたまうので仕方なく漉し餡を炊くことに...


なぜ?仕方なくかと申しますと

個人的に粒餡が好きなのです。

漉し餡は上品すぎるのと小豆の風味が損なわれるのがどうも...

そこで「無庵」らしく?

完全に漉したお上品な漉し餡ではなく

粗い漉し餡、名付けて『粗漉し餡』にすることにしました。




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柔らかく炊くのは「粒餡」と同じ作業。



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ここからが「漉し餡」の作業で

ザルで小豆に水を掛けながら漉して

「呉」を落とします。



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「呉」をしっかり漉して皮だけを除きます。

通常の漉し餡は落とした「呉」をさらに

馬毛の裏漉しに通して細かい皮を完全に除き

何度も上澄みの水を捨ててよくさらします。


この作業が餡を上品に仕上げると同時に

小豆の風味を損なう原因でもあります。


そこで馬毛の裏漉しには通さずにそのまま使うことにしました。



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晒の布で絞り出来たのが「生餡」です。

通常この「生餡」の市販品を使うのが一般的です。

それはここまでの作業がこの上なく面倒だからで

自分が「仕方なく」といった理由の半分は

この面倒くさい作業にあります。


美味しいものは大概「面倒くさい」ものです...



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あとは砂糖液を沸かし

「生餡」を加えて練っていきます。



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強火で練るためピチャピチャとよく跳ね、

めちゃ熱です!



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幾多の困難を乗り越えて

ようやく出来上がった無庵の漉し餡。

粗漉し餡


楽をするべからず

決して「手抜き餡」ではありません...




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by muichimotu | 2018-06-18 20:28 | 無庵 | Trackback | Comments(0)

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